マジシャンがマジックで使う用語、関連用語など。
自分が必要だなと思ったものだけを載せている。

アイスブレーカー(アイスブレイク) / Icebreaker

アイスブレーカー(アイスブレイク)とは緊張した雰囲気を和ませること。
マジックでは披露宴やカクテルパーティーなど初対面の人々が集まる場でマジシャンが場の緊張を和ませて参加者のコミュニケーションを活発にするきっかけを作ることとして用いられる。
元は砕氷船の意味。

アウト / Out

アウトとはマジックが失敗したりお客とのやり取りの中でたまにしか起こらないレアな状況になる場合を予め想定してそれ用に辻褄の合う結末を用意しておいたエンディングのこと。マジックによってはいくつものアウトが用意されていることがある。失敗した時の逃げ道である場合もあるし並行した優れたエンディングの場合もある。アウトを用意する、という風に使う。

アンダーダウン / Under-Down

アンダーダウンとはカードのデックやパケット(束)のトップのカードをボトム(下)に回し、次のカードをテーブルに置く操作のこと。このようにしてカードを配ることを「アンダーダウンディール / Under-Down Deal」と呼ぶ。セルフワーキングのカードマジックでよく使われる。例えばこの操作を繰り返して最後の1枚になるまで続ける、など。
最後のカード(最後に残る(配る)カード)は計算式で求められる。
カードの枚数Nと2のべき乗(2、4、8、16、32)でNよりも小さい中で最大の数をMとする場合
(N-M)x2+1=
例)7枚のカードの場合は(7-4)×2+1=7
7枚目のカードが最後のカード
先にダウンから始める場合は「ダウンアンダー」と言う。

エキボック / Equivoque

エキボックとは複数の中から客に選ばせる時に、いくつかの意味に解釈できる言葉や曖昧な表現を使ってどれが選ばれたとしても始めから決めてあった特定のものが結果的に選ばれる言葉のテクニック。
マジシャンズチョイスと同義で使われる。

エスティメーション / ESTIMATION

エスティメーションとはデックからカットした一部のパイル(カードの束)の枚数を数えることなく厚みを目視したり触った指の感覚などで枚数を推測することを言う。大まかな枚数を知ることができる。
正確に枚数を知る場合には通常何らかの仕掛けや種を使う。

エニーカード・アット・エニーナンバー / Any Card at Any Number(ACAAN)

エニーカード・アット・エニーナンバーとは客に適当なカードと数字を決めてもらうとその数字の枚数目からその決めたカードが出現する現象のカードマジックの事である。

Any Card at Any Numberの頭文字を取って略してACAAN(エーキャン)とも言われる。日本ではエニエニと略す人もいる。

エルムズリー・カウント / Elmsley Count

エルムズリー・カウントとは4枚のカードを4枚のカードとして数えてみせるが実際には上から3枚目のカードを見せてないというフォールスカウントの一種。
アレックス・エルムズリー/Alex Elmsleyが考案。
ゴースト・カウント/Ghost Count 又は カウント・フォー・アズ・フォー/Count Four as Fourとも呼ばれる。
4枚以外のバリエーションもある。
同じ数字札3枚と違う数字札1枚の組み合わせでフォー・オブ・ア・カインド(4枚の同じ数字札)として見せる使い方もよく使われている。
日本語表記はエルムズリー又はエルムズレイ

クロンダイクシャッフル / Klondike Shuffle

クロンダイクシャッフル(Klondike Shuffle)とはデックのトップとボトムを同時に配っていくこと。
例えば右手で上からカードを持ち、左手でデックの上を親指で下を4本指で左に引いて上下の2枚を取ってテーブルに置く。それを繰り返す。

ミルクシャフル / Milk Shuffle とも言う。

YouTube動画
クロンダイクシャッフル / Klondike Shuffle (ミルクシャフル / Milk Shuffle)の解説

ギルブレスの原理 / Gilbreath’s Principle

ギルブレスの原理とは数学者ノーマン・ギルブレス/Norman Gilbreathの考案の原理でセルフワーキングのカードマジックでよく使われる。
例1)赤黒交互のデックを2つのパイルにパイルのトップは違う色になるように分ける。
その2つのパイルをリフルシャフルしてまとめる。
まとめたデックのトップから2枚ずつ取っていくと必ず赤と黒の組み合わせとなる。赤黒または黒赤となる。赤赤、黒黒の組み合わせにはならない。
例2)A2345と5432Aの並びのパケットをリフルシャッフルして1つのパケットにしてまとめたパケットの上から5枚を取ると必ずA2345が含まれる。
Gilbreath shuffle | ギルブレスの原理

ギャンブラーズコップ / Gambler’s Cop

ギャンブラーズコップとはデックをディーリングポジションで持つときの位置よりもカードを少しマジシャン側にずらして保持するパームの種類。通常中指をコーナーまたはサイドに当てて保持する。ボトムのカードを密かに取る時によく使われる。小指側のカードの端は手からはみ出るので見えない様に角度に気をつける必要がある。
通常のボトムパームよりも速く取れて手も自然な形を多少作りやすい。
以前はギャンブラーズパームと呼ばれる事もあったが現在ではそれぞれ違う種類となっている。参照:余談 ギャンブラーズパームとギャンブラーズコップ

サッカートリック / Sucker Trick

サッカートリックとはマジックの中で観客に何かを本当のことだと一度信じさせておいてそれは実は嘘だった、という演出のこと。
一度失敗したと思わせておいて実は成功していた。
種明かしをしたと思わせておいて実は嘘の種明かしだった。
などのパターンが有る。
suckerは元々、乳飲み子、乳児の事で、そこから「騙されやすい人、カモ」として使われる。

サトルティ / Subtlety

サトルティとは相手に意識させないでさりげなく暗に印象を伝えること。
例えば手にコインを隠し持っている場合に積極的に手には何も持っていないということを示すのではなく自然な動作をする中で何も持っていないという印象を相手に伝える。
サトルティが優れていることを「サトルティが効いている」と表現する。

サトルティの名前がついた技法には以下がある。
ラムゼイ・サトルティー / Ramsey Subtlety
マリーニ・サトルティ又はカップス・サトルティ / Malini Subtlety or Kaps Subtlety
オルラム・サトルティ / Olram Subtlety

サム / S.A.M. 

S.A.M.とはSociety of American Magiciansの略でアメリカ奇術協会のこと。現存する世界で一番古いマジシャンの団体である。
1902年に設立されて、初代会長はハリーフーディーニ。
日本では藤山新太郎が1991年に日本地域局を立ち上げる。現在は日本での活動はされていない模様。
アメリカにはもうひとつI.B.M. / International Brotherhood of Magiciansと言う大きな組織がある。
S.A.M.

ショートカード / Short Card

シュートカードとは通常よりも縦の長さが少し短いカードのことである。通常のデックにこのショートカードが入っていると指の感覚だけでそのカードのところから分けることができる。
通常1mmほど短くする。カッターなどで自分で作成することが可能。
逆に縦の長さが少し長いカードをロングカードと言う。これは個人では自作が難しい。

スーツ / Sute

スーツとはカード(トランプ)のマークのこと。欧米ではマークとは言わずにスーツと言う。カードのスーツはスペード、ハート、クラブ、ダイヤモンドの4種類。
例えば「好きなスーツは?」「ハート」など。

スタックドデック / Stacked Deck

スタックドデック(スタックデック)とはカードの並びを特定の順番にセットしたもの。順番に組む(並べる)ことをスタックを組むという。

有名なのだと 「サイ・ステビンス・システム / Si Stebbins stack」がある。これは規則正しく並んでいるのが特徴。

規則性が無かったり規則性が複雑で並びを覚えるのに暗記が必要なものを「メモライズドデック / Memorized Deck」という。タマリッツのネモニカ(Mnemonica by Juan Tamariz)やアロンソンのアロンソンスタック(Aronson Stack by Simon Aronson)などが有名。

その他サイ・ステビンス・システムの欠点を薄めたDani DaOrtizの「My Personal Deck」や計算式で次のカードがわかるけど並びはバラバラなRichard Osterlindの「BREAKTHROUGH CARD SYSTEM」などがある。

ストローリング・マジック / Strolling Magic

ストローリング・マジックとは、クロースアップマジックからの枝分かれでルームやイベントの場所でパフォーマーが歩きまわってお客のグループにマジックを披露する。ウォークアラウンド・マジックの一種。

カクテルパーティーで飲み物を持って立っているお客に近づいていって手品を披露するのが代表的なイメージのようだ。

ただレストランや丸テーブルの着席した客を廻るのも含まれるのでテーブル・ホッピングもこの中に含まれている。

スベンガリ・デック / Svengali Deck

スベンガリ・デックとは仕掛けのあるギミックデックの1つで26枚の同一のショートカードとその他の普通の26枚のカードを交互に配置したデックのことである。トップはショートカードでボトムは普通のカードになる。客には全てのカードを別々に見せることが出来る。
ショートカードとは通常よりも縦の長さが短いカードのことである。この場合は1mm程度短いカードを使う。
テクニックなしで同一のカードを簡単に色々な方法でフォースすることができる。
例えばデックをリフルしてストップ又は指を入れてもらったところのカードや配っていくカードを客がストップと言ったところのカードや好きなところからカットして持ち上げてもらったところのカードなど。
テクニックを少し使えばスプレッドしたカードから選ぶカードをフォースすることもできる。
全てのカードを同一に見せることもできる。
オーバーハンドシャフルとリフルシャフルが可能。客にリフルシャフルをしてもらうことも可能。
これにラフ・アンド・スムース加工した商品にミラージュデックというのがある。

スライト・オブ・ハンド / Sleight of Hand

スライト・オブ・ハンドとは手先の技術、手業のこと。または巧妙な、密かな、上手く隠された策略、だまし、ごまかしなど。
日本では「スライハンド」と略して使うことがある。

スライドアンダースイッチ / Slide Under Switch

スライドアンダースイッチとは複数枚のカードをデックの上で裏返してもう一度表返すと違うカードにチェンジしているというカードのスイッチ技法。例えば4枚のキングを裏返してから表返すと4枚のエースに変化するなど。すり替えるところを直視されていても見破られにくい。セットが必要。裏向きのデックのトップから2~5枚目にある表向きのカードと4枚の表向きのパケットをパケットをひっくり返すときにスイッチができる。
考案者はケン・クレンツェル / Ken Krenzel。ケン・クレンツェル チェンジ
使われている作品
片倉雄一のダブルショック
デビッド ウィリアムソンのRoger SMITH’S THXAS TRICK
Conjuring Archive

スラップ シャフル (スロップ シャフル) / Slop Shuffle

スラップ シャフル (スロップ シャフル)とはカードを表と裏とに混ぜていったように見せて実は裏と表は混ざっていないというシャフル。
やり方は左手にディーリングポジションに持ち親指でトップ数枚を親指で右にずらしてそれを左手で取り、左手で続いて数枚を右にずらして今度は左手を返して先程取ったカードの下に親指で挟んで取る。右手は同じことを繰り返して右手も返してもとに戻し最初のカードの下に4本指とカードで挟んで取る。左手は同じく右手もまた返して2番めに取ったカードの下に親指とカードで左手のカードを挟んで取る。これを繰り返す。

トライアンフや赤と黒のカードのセパレートや任意のカードを抜き出すのに使われる。

原案はシド・ロレイン / Sid Lorraine

参照:第79回 スロップシャフルと意外な歴史

ダウンアンダー / Down-Under

ダウンアンダーとはカードのデックやパケット(束)のトップのカードをテーブルに置き、次のカードをボトム(下)に回す操作のこと。このようにしてカードを配ることを「ダウンアンダーディール / Down-Under Deal」と呼ぶ。セルフワーキングのカードマジックでよく使われる。例えばこの操作を繰り返して最後の1枚になるまで続ける、など。
最後のカード(最後に残る(配る)カード)は計算式で求められる。
カードの枚数Nと2のべき乗(2、4、8、16、32)でNよりも小さい中で最大の数をMとする場合
(N-M)x2=
例)7枚のカードの場合は(7-4)×2=6
6枚目のカードが最後のカード
先にアンダーから始める場合は「アンダーダウン」と言う。

チャーリア シャフル /Charlier Shuffle

チャーリア シャフルとはデックを混ぜている様に見せて実はカットをしただけの状態でカードの順番は変わらないというもの。
右手にデックを持ち右親指で上の何枚かを左に押し出して左手に取る。次に右手の4本指でデックの下から何枚かを左に押し出して左手のパケットの上に重ねる。次に右手の親指でデックの上の何枚かを左に押し出して左手のパケットの下に取る。これを繰り返す。

等量の山の原理 / THE PRINCIPLE OF EQUAL PILES

クロックトリックなどで使われる。等式プリンシプル。

  1. 同じ枚数の山(パイル)を作る。
  2. 残りのデックの一番上のカードを覚える
  3. パイルの片方を覚えたカードの上に重ねる。
  4. パイルの枚数よりも多い枚数をデックから数えながら配る。
  5. 配ったパイルの上に残りのパイルを乗せる。
  6. 覚えたカードはパイルの枚数よりも多く枚数を配った枚数目にある。

トゥワァロル チェンジ / Twirl Change

トゥワァロル チェンジ / Twirl Changeとはカラーチェンジの一種
裏同士で重ねた2枚のカードの対角線上のコーナー(インデックス側がポピュラー)を右手中指と親指で持ち手を振りながら人差し指で左側を引っ掛けて引きながら対角線上に半回転させてから手のふりを止める。するとカードが変わったように見える。

YouTubeで動画を見る

twirlとは twirlの発音
(…を)くるくる回す、振り回す

トライアンフ / Triumph

トライアンフとは1946年にStars of Magicで発表されたアメリカの有名なマジシャン、ダイ・バーノン / Dai Vernon(故人)考案のカードマジック。現象は、客の選んだカードを返したデックを表と裏に分けて混ぜ合わせるが一瞬で全てのカードが裏向きに揃い、客のカード1枚だけ表向きで出てくる。
派生作品が沢山発表されている。
Triumphとは勝利と言う意味。

トラディショナルカット / Traditional Cut

トラディショナルカットとは、カードを表から裏に向かって裁断するカードの裁断方法の事。元々一般的にはこの裁断方法であったが逆から、裏から表に向かって裁断するカードが出現してきたことによって元々の裁断を指す言葉として用いられるようになった。
カードのエッジは裏が尖って表が丸くなりボトムから噛み合わせるワンハンドシャッフルやフェローシャフルやテーブルフェローがやりやすい。

最近のバイシクルなどは裏から表に向かって裁断しているとよく言われるがここ最近ではそうでは無いようだ。
見分け方はフェローシャフルをやって下から噛みやすいのがトラディショナルカットで上から噛み合わせやすいのが逆のものである。

トラディショナルカットのカードは
Bicycle Gold Standard / バイシクル ゴールドスタンダード
バイシクル エリートエディション
などがある。

ディープバッククリップ / Deep Back Clip

ディープバッククリップとは指の第2関節よりも手のひら側(ディープ)の手の甲側(バック)でコインを挟む(クリップ)するコインの技法。通常中指と薬指の間を使う。手のひら側からだとコインが見えない。

中指と薬指の第二関節より下は閉じているが上は開けるので手がすべて開いているように見せれる。
ダイ・バーノン考案でデビット・ロスの作品で使われている。

David Williamson LIVE (Penguin LIVE) でコインが消えて復活すマジックを解説している。

デック / Deck

1組のトランプカードのこと。通常52枚かプラスJokerを加えたカードの束の事。
必ずしも全てのカードが揃っている必要はない。数枚取り除いた後のデックなどと1組の大部分に対して使う事ができる。
これはアメリカで主に使われる。イギリス、ヨーロッパなどではpackと呼ぶことが多いそうだ。

デュープリケートカード / Duplicate Card

デュープリケートカードとは、あるカードと全く同じカードを他のデックから持ってきたりして用意したカードのこと。
カードマジックではカードがあり得ないところに移動したり破ったはずのカードが復活したりする現象を行うために使われる。

Duplicateの意味は「複製の」「写しの」「まったく同じ」など

日本語表記は「デュープリケート」または「デュプリケート」

ナチュラルブレーク / Natural Break

ナチュラルブレークとはカードの自然な反りによって出来る自然なブレーク、隙間のこと。
デックの中にカードが逆向きに入っている場合、そこの部分に隙間が生まれて容易にその場所を特定することが出来る。

ハイヤーマジシャン / Hire Magician

ハイヤーマジシャンとは、パーティーやイベントなどでマジシャンを雇ってマジックを披露してもらうサービスやそのマジシャンの事。

日本ではこの種のサービスの事を、「出張マジシャン」や「マジシャンの派遣」と呼ぶが、アメリカやイギリスなど英語では「Hire Magician」が同じ意味で広く使われている。

バスカーとバスキング / “Busker” and “busking”

「バスカー / busker」とは大道芸人、路上パフォーマーの事
「バスキング / busking」とは大道芸、路上パフォーマンスの事
「busk」は大道芸をするという動詞
参照 Wikipedia Street performance

パリティ・プリンシプル / Parity Principle

Hummer Parity Principle、CATTO Principle (Cut And Turn Two Over)CATO Principle (Cut And Turn Over)

パリティ・プリンシプルとは偶数枚のパケットをカットして上から偶数枚のカードをひっくり返す。これを適当なところで複数回繰り返した後にカードを2箇所に交互に配っていき2つのパイルを作る。
その2つのどちらかをひっくり返して重ねると裏と表がそれぞれ同じ枚数となる。
カットとひっくり返すのをおこなっている時にシャフルを1枚ずつ奇数枚加えても同じ結果となる。
セルフワーキングのマジックで使われる。
考案者はBob Hummer。Hummer Parity Principleとも言う。
CATTO Principle (Cut And Turn Two Over) または CATO Principle (Cut And Turn Over) とも言う。
作品:Origami Poker / John Bannon など

フォース / Force

フォースとは何か複数の物から選ぶ時に選ぶ相手には分からないように誘導してこちらが選ばせたいものを選ばせるテクニックのことである。
カードマジックでよく使われる。例えば「好きなカードを引いて」と言いながらこちらの選んで欲しいカードを選ばせる。選んだ人は選ばされているにもかかわらず自分で選んだと思っている。
カードマジックではクラシックフォース、ファンフォース、タイミングフォース、クロスカットフォースなど沢山のフォースが使われている。心理的なものと指先のテクニックを使うものがある。

フェロー・シャフル / Faro Shuffle

フェロー・シャフルとは、カードを2つに分けて端と端を合わせてそれぞれのカードが互い違いになるように押し込んでいくシャフルのこと。
カードをちょうど半分にカットし互いのカードを1枚ずつ互い違いに差し込むことを特にパーフェクト・フェロー・シャフルと呼ぶ。日本語ではファロー・シャッフルと表記されることが多い。
ウィーブシャフル / Weave shuffleと呼ばれることもある。weaveは織る、と言う意味。

元々のトップカードがシャフル後にトップに来るのをアウトフェロー(out-faro)、トップのカードが最後に2枚目に来るのがインフェロー(in-faro)と言う。

YouTube / 動画 | Perfect Faro Shuffle from bottom / パーフェクト・フェロー・シャフル 下から噛み合わせる方法

ストラドル・フェロー・シャフル / Straddle Faro Shuffle

ストラドル・フェロー・シャフルとは奇数枚のデックでやるフェロー・シャフルのこと。真ん中からカットするとどちらかのパケットが1枚多くなる。その状態でパーフェクト・フェロー・シャフルをすると多い方のトップとボトムがそのままトップとボトムに来る。
straddleはまたがる、と言う意味。

フェロー・チェック / Faro Check

フェロー・チェックとは2つのパケットの端と端を合わせることによって枚数が同じかどうかをチェックすること。これによりデックの正確な真ん中を知ることが出来る。
演技の中でこれをやる場合はフェロー・シャフルをやろうとしている途中で止めて他のことをやることにした様な演技をすることになる。

フラクタル / Fractal

ジョン・バノンはパケット・トリックで演技終了後に全てのカードを観客に渡して改が可能な種類をフラクタルと呼んでいる。

ブラフパス / Bluff Pass

ブラフパスとはカードマジックのコントロール技法の1つで選ばれた1枚のカードがデックの真ん中に戻したように見えて実際は上から2枚目に戻しているという技法のこと。
客はカードを戻した場所がデックの真ん中辺りだと思っているが実際は上から2枚目に戻している。
大胆な方法だと感じるので実際に使うには勇気がいったり躊躇してしまう事がある。
フォースとして使う場合もある。

Bluffとははったり、こけおどしという意味。
Tarbell Course in Magic — Volume 3 でLe Paul’s Pass/Paul LePaul(ポール ルポール)として解説がされている。

参照:Conjuring Archive Bluff Passes

ブリーザー・クリンプ / Breather Crimp

ブリーザー・クリンプとはクリンプの一種。事前にカード中心から4コーナーにかけて特殊なクリンプを施しておくことでいつでもそのカードからカットが可能となる。コーナー1ヶ所のクリンプとは違いカードの向きを気にする必要がない。
カットした時にクリンプカードがトップに来る。クリンプの方向を逆にするとボトムに来るがそれはリバース・ブリーザー・クリンプと呼ぶ。
ヴァーノン・リベレーションズ 6巻でバーノンが解説。
Pit Hartlingの「Card Fictions」(本)の作品「Finger Flicker」で使っている。
カタカナ表記はブリーザーまたはブリザー・クリンプ

プレイングカード / Playing Cards

プレイングカードとはトランプの英語での呼び名。日本で言うトランプのこと。

プロフェシー ムーブ / Prophecy Move

デックに裏向きで突き刺した1枚のカードを表返す動作でカードの上と下のパケットを密かに入れ替える動作。またはデックから1枚選ばれたカードをアウトジョグしてから表にひっくり返す動作で上下のパケットを密かに入れ替える動作。
トップとボトムにあったカードを表向きにしたカードの隣のカードだと思わせることが出来る。

動作
アウトジョグしたカードの上のパケットを右手にとり手首を返して親指とパケットのトップで右上のコーナーを掴む。
また手首を戻してカードの表を見せる。
左手にあったパケットを右手のパケットの上に重ねて表向きにアウトジョグされた状態で見せる。

考案者は「Bill Simon」で「Effective Card Magic」(1952)の作品「Business Card Prophecy」で使われた技法。

Prophecyは予言と言う意味

ホールドアウトギミック / Holdout Gimmick

ホールドアウトギミックとはコインやカードなどを好きな時に出したり消したり出来る道具のこと。
袖などに仕込み、手に持った物を出したり消したり出来る。
単なるプル動作、引きネタではなく出現が可能。

マーキュリー・カード・ホールド / Mercury Card Fold

マーキュリー・カード・ホールドとは密かにデックから1枚のカードを4つ折りにするカードテクニックのこと。2つ折りにする延長で再度2つ折にするので習得すると瞬時に4つ折りのカードを作れる。
通常デックを表が上になるように持ち一番下のボトムのカードを4つ折り(裏側が外側になる)にする。

これを使った作品ではデビットウィリアムソンのトーン&リストアカードが有名。
その他、カードインマウスやカードアンダーウォッチやミント缶から出現したりなど多数の作品で使われる。

1940年刊行のJean Hugard のExpert Card Techniqueで初めて解説される。

ミスコール / Miscall

ミスコールとはマジシャンが見た事をそのまま言葉で伝えたように見せて実際には違う嘘の情報を相手に伝えること。
実際にはハートのカードを見ながらクラブと答えるなど。
メンタルマジックでよく使われる。

メイトカード / Mate Card

メイトカードとは一組のデックの中で数字とスペード、ハートなどのスーツ(マーク)が同じカードの事。スペードの3のメイトカードはクラブの3、ハートのQのメイトカードはダイヤのQになる。
一般の人に説明する場合はTwins(双子) CardやMatching Cardなどがわかりやすいかも。

レッド・ブラック シャフル / Red-Black Shuffle

レッド・ブラック シャフルとは赤と黒にセパレート、分離されたデックをオーバーハンドシャフルして混ぜているように見せて実際には赤と黒が混ざってないというシャフル。アイルランドシャフル/ Ireland shuffleと呼ばれることが多い。

やり方はデックの半分近くに来るまではブロック、複数枚を一度にシャフルして行くが半分近くに来てからは1枚ずつシャフル、ランする。そして半分を超えたらまたブロックを取ってランする。

赤黒の他にクラブとダイヤのパイル、ブロックとスペードとハートのブロックなどの組み合わせに使うこともある。

一般的にはLaurie Irelandのアイルランドシャフル/ Ireland shuffleと呼ばれることが多いが、実際にはCharles Jordanが先に発表していることからRed-Black Overhand Shuffleなどと呼ぶのが正しいそうだ。
参照:Conjuring Credits Red-Black Shuffle | Card College Volume 5 by Roberto Giobbi P1119, On the Red-black Overhand Shuffle

ワン・アヘッドの原理 / One Ahead Principle

ワン・アヘッドの原理とは1つ先んじてトリックを完了させておくこと。これから何かをすると見せかけるが実際にはトリックはすでに完了している。

現象とトリックのタイミングがずれている。

現象の後に再度次のトリックを完了させて繰り返し現象を起こすことがある。

逆に現象の後にトリックを行うものをワン・ビハインドと呼ぶ。
ワン・ビハインドを使った作品には
Ramón RiobóoのFOUR WEDDINGS AND AN IMPOSSIBILITY(Thinking the Impossible)がある。

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